葱と水菜、トウ立ちし始めた菜の花
”さがわばちのさと農園”は、少量多品目の野菜作りを行っています。一般的な農家の場合はその逆で、米農家、大根農家、葱農家、トマト農家、人参農家、・・・といったような○○農家、つまり一つの品目を専門的に作っている農家さんが多いのです。
工業製品でたとえるなら、一つの工場でテレビ、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、掃除機、電子レンジ、パソコン、・・・全てを作るよりも一つの製品に絞って作った方が圧倒的に作業効率が良い事は誰にでも理解出来る事です。
これは農業においても全く同じで、品目数が増えるとそれだけ作業手順が増えたり、必要な道具や機械が増え生産コストがかかります。なので一般的な農家さんの場合は少品目を生産するのが主流になっているのです。
それから大量生産でわかりやすいのが、今話題となっているお米です。お米を作るにはメジャーな機械だけでもトラクター、田植機、コンバイン、乾燥機、籾すり機、といったものが必要になります。これらは一台で高級車以上のものもあり全て揃えるとなると、とんでもない金額になってしまいます。しかもこれらの機械はほとんどが一年にたった一度必要になるだけでそれ以外はずっと倉庫で眠っているのです。
なのでもし米農家として利益を上げようと思うのであれば相当広い面積で行うか、もしくは相当広い範囲で農機具を格安で共用出来るシステムがないと難しいという事になります。なので現在日本に多い、小規模米農家さんはほとんどが自家用でされているのです。
自分で育ててみればわかる事ですが、あれだけの手間と時間とお金を掛けて出来たお米をあの値段で売ろうとは絶対に思わないはずです。ちなみに世の中には、農家を減らし、もっと田畑を集約化し効率化すべきだという意見もありますが・・・
ちょっと話がそれてしまいましたがとにかく農家である程度の生産量とその販売による収益を目指すのであれば多量少品目栽培が必要になってくるのです。
では少量多品目栽培が全くメリットがないかと言うとそうではなく、うちのようにほぼ自家用がメインの農家?(自家用と言っている時点で農家とは呼べないと思いますが)にとって多品目の野菜を育てている事は、普通なら食べられる野菜が少なくなる端境期であっても何かしら食べられる野菜が収穫出来ると言うメリットがあります。
しかも自然農で固定種の野菜を育てているのでだいたい成長がそろわないので通常よりも収穫期間が長くとれるのもメリットの一つです。さらに雑草と適度に共生しているおかげ?でいくつか食べられる野草が手に入るのです。
その中で今回収穫したのは”つくし”。
畑では嫌われる多年草の雑草であるスギナの胞子茎であるつくしは春を代表する野草の一つです。ちなみにこのスギナはお茶としても利用でき利尿効果等が期待できるそうです。
他にもうちの畑に生えている野草で今の時期に食べられるものとしてはヨモギ、タンポポ、カラスノエンドウ、セリなどがあります。
つくし
それからスギナの畑における役割を最後に少しご紹介したいと思います。スギナの生えてくる土壌というのは酸性の痩せた土地です。
繁殖力が強く土中のカルシウムの吸収率の高いスギナを刈って敷くを繰り返す事で土が中和されより肥沃な土壌へと変えていってくれるのです。
厄介者扱いされる事の多い雑草ですが植物にはそれぞれ役割があり土が変化していくことで次の新たな命のステージに導いてくれるのです。
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