珍客と玉葱

うちの畑には色んな生き物がやって来るのですが主と化しているのが”カラスさん”です。
いつも畑の横の電線に止まっていてお腹がすくと畑に降りて来るのです。草刈りをしたり、畝立てをしたりしていると後からついてきて何かをついばんでいるのです。おそらく畑に大量にいるミミズを狙っているみたいです。
人が近くにいても全くお構いなしに黙々と餌をついばみます。こちらも別に追い払う気もないので好きにしてもらっています。時々草マルチをどかしてミミズを食べようとしたり、野菜を食べたりもしますが鹿の被害に比べれば大したことはないのでその辺りは多めに見ています。
街中ではゴミを漁ったりするので嫌われがちな鳥ですがこちらが何もしなければ非常に大人しく、他の害虫や鳥の被害から畑を守ってくれていると思えば番犬ならぬ番鳥として居着いてくれているのは悪いことではないような気がしています。

そんなカラスに混じって今日は初めて見る鳥がやって来ました。カラスよりひと周り大きなその鳥は、今ようやく収穫期を迎えている玉葱の畝で何かを探していました。
日本の国鳥として知られるその鳥は、雄は派手で有名ですが今日出会った雌は雀のような地味な色合いであまり目立ちません。そっと近づいて写真を撮ろうとしましたが残念ながら逃げられてしまいました。しばらく他の作業をしていると再び玉葱の畝にやって来たので何か美味しいものがあったのだと思います。
ちなみに答えは桃太郎でも有名な”キジさん”でした。
少し小ぶりですが食べられるサイズの玉葱
そんなキジさんが来ていた玉葱の畝、9月の種蒔き、11月の定植、その後動物(おそらくイタチ)によって何度も掘られたりと色々ありましたが、無事収穫の時期を迎えました。しかも10年以上自然農の畑をやっていて初めてちゃんと食べられるサイズの玉葱が出来ました!
自然農をされている方ならわかるかと思いますが無農薬・無施肥で玉葱を種から育てるのはかなり難しいのです。
玉葱以外にも大玉トマトや白菜、キャベツ、スイートコーン、など養分を多く必要とする野菜の栽培は難しいと言われています。実際自分でやってみてもこれらの野菜はなかなか上手くできません。おそらくこれらの野菜が原種から離れているのが難しい原因だと思います。一般的には自然農では原種に近い品種の方が育てやすいと言われています。
ただ、これらの自然農での栽培が難しいと言われる野菜でも自然農を続けていく事で土が変わってきたり、種取りを続けて種がそこの畑に順応してくる事で育つようになります。
もちろんこれは自然農で一般的に言われている事で自然界には様々な条件があるので全てがこれに当てはまるわけではなくそこがまた面白い所です。
今回の玉葱の場所は、耕作放棄の状態から去年畝立てして最初にサツマイモを植えてその後作に玉葱を植えた場所になります。少し高めの畝にしているので水はけが良かった事、耕作放棄の状態が長かった事などが良かったのかも知れません。
今年は年明けから何度も雪が積もったり、結構寒い日が多かったのですが立派に成長してくれて何よりです。
スーパーでは大きいのが沢山入って結構安くで売られている野菜なので正直自分で育てるには経済的に考えると割に合わない野菜ですが収穫の喜びはひとしおです。
やや小ぶりですが自然な甘みがありエネルギーに満ちた玉葱、美味しくないわけはありません。市場の価値と自然の価値は全く違うものなのです。
洗った状態の赤玉葱

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