ジャガイモに働かされる!?

一般的に冬場は農業にとって農閑期になります。
理由はいくつかあるのですが、冬場は寒すぎて種を蒔いたり、苗を植え付けたりといった作業が出来ない上に雑草も寒すぎてほとんど生えず、生えている雑草もほとんど生長しないので除草作業が要りません。
つまりやることがないのです。
もちろんいくつかの冬野菜の収穫はありますが・・・。

では我が家の畑はと言うと、これが全然農閑期ではないのです。
この時期だからこそやらなければならない作業が結構あります。
畑に面した山側の斜面の藪払いに泥や落ち葉などで流れが悪くなった水路の整備、水捌けの悪い場所の点穴掘り、未だに耕作放棄状態のままの場所の畝立て、収穫を終えて何も植えていない場所への草マルチ等々。
地味な重労働ばかりですが、これらの作業が土を良くし結果的に野菜の出来を良くしてくれるのです。

そんな重労働に混じって本来ならもうとっくに終えていないといけないジャガイモとキクイモの収穫が残っています。
このジャガイモとキクイモ、どちらもイモ自体が種芋になる植物という点は同じですがイモの出来方にちょっと違いがあります。
基本的にジャガイモは親芋(種芋)のすぐ近くに子芋が出来るので収穫する時は枯れた茎の根元を掘ればよいのですがキクイモの場合は真下ではなく親芋から結構離れた場所にできるのでまるで宝探しのようにあちこち掘らなければなりません。
収穫の労力としてはジャガイモが1ならキクイモ5以上といったところでしょうか。
ただしこれはジャガイモが畝に植えてあり、キクイモが平畝でしかも笹やススキなどの宿根草が生えている場所という事も大きく影響しているのですが・・・。

このジャガイモとキクイモの子芋の出来方の違いがそれぞれの種の成長戦略の違いに大きく影響しています。

元々キクイモはジャガイモ栽培に適さない荒れ地で栽培されていたものでほったらかしにするとどんどん広がっていきます。
これは子芋が親芋から離れた場所に出来るという特性と背丈が2m以上にも成長し他の植物に埋もれることなく育つ事が出来る点が関係しています。

ではジャガイモはというと、その場に子芋が出来るということは基本的に自然状態ではほとんど広がっていかない事を意味します。
つまりこれはジャガイモが生育域を広げるには何かしらの外力が必要という事になります。
ジャガイモが必要とする外力こそ人の協力なのです。
その為にジャガイモは人に食べてもらう事を選択し、人にとってより美味しく、利用価値の高いものへと進化していったのです。
ジャガイモからするといくらかは食べさせてあげる代わりに残りはちゃんとまた植えてね、というメッセージなのです。

こう考えるとジャガイモを育てているといういうよりもむしろジャガイモに育てさせられている、ジャガイモに動かされているといえるわけです。

これと同じ話でトウモロコシは地球上もっとも繁栄している種の一つですが人の協力が大前提となっているにも関わらず作付面積は世界最大で重力では人の20~30倍もあるというのですからすごいものです。

このように共存共栄している野菜達に動かされている人な訳ですがそのように野菜達に動かされる仕事も悪くないのではないかと思う今日この頃です。

コメント